【AI開発事例】悪天候でも高精度追跡!競馬場監視AIでレース運営を効率化

「レース中の各馬の位置をリアルタイムで正確に把握したい…」
「天候が悪いと映像での識別が難しくなる…」
「より公正でエキサイティングなレース運営に必要なデータが欲しい…」
競馬をはじめとする様々なスポーツやイベントでは、高速で動く複数の対象を正確に捉え続ける技術が求められています。
こんにちは。私たちJVBは、ベトナムに拠点を置くオフショア開発企業です。お客様の「困った」を解決するAIシステム開発を得意としています。最近はAI開発のご依頼を多く頂いております。
今回は、競馬場での馬や騎手の追跡精度をAIで向上させる「競馬場監視AIシステム(物体追跡)」の開発事例をご紹介します。
コンテンツ
競馬場監視AIシステム(物体追跡)とは?

このAIシステムは、競馬場のレース映像などをリアルタイムで解析し、個々の馬や騎手を高精度で検出し、継続的に追跡・識別するソリューションです。
リアルタイムでの高精度な物体認識・追跡
AIが映像の中から馬、騎手、さらには観客などのオブジェクトを瞬時に認識し、それぞれの位置やサイズを検出します。独自のIDを付与してレース中継続的に追跡することで、各馬の正確な動きを捉え続けます。
悪条件下での性能向上
従来の画像認識モデル(例:YOLOv4)では性能が低下しがちだった降雪時や、馬群が密集する環境、植生が多いエリアなど、認識が困難な状況でも高い検出率と位置精度を発揮できるように、AIモデルの微調整や複数の認識モデルの統合(アンサンブル学習)、後処理技術などを駆使しています。
運営効率化と正確性への貢献
AIによる高精度なリアルタイム追跡データは、レースの公正な判定支援、ファンへの新しい情報提供(各馬の位置情報など)、レース分析、トレーニングへの活用など、競馬運営全体の効率化と正確性の向上に貢献します。
使われている主な技術
主に以下の技術を使用しております。お客様のニーズに合わせて最適な技術を選定・活用いたします。
画像認識 / 物体検出
レース映像から馬や騎手などを検出するために、YOLOシリーズなどの物体検出AIモデルを活用します。必要に応じて、特定の対象を高精度に認識するためのTransfer Learning(転移学習)によるモデルの微調整や、Data Augmentation(データ拡張)による学習データ強化を行います。
物体追跡 / ビデオ解析
検出した馬や騎手を継続的に追跡するために、DeepSORTやByteTrackのようなアルゴリズムや、Real-time E-Tracking技術が用いられます。複数のカメラ映像を扱う場合は、同一対象を識別するRe-ID(再識別)技術も重要になります。Video Analytics技術により、映像全体から必要な情報を効率的に抽出します。
マシンラーニング / AIモデル
認識率や精度をさらに向上させるために、複数のAIモデルの結果を統合するEnsemble Learning(アンサンブル学習)などの機械学習技術を活用します。また、Post-processing(後処理)技術により、AIの出力結果のエラーフィルタリングや統合を行い、最終的な認識精度を高めます。
データ処理 / 解析
大量の映像データとAIによる解析結果を効率的に処理し、リアルタイムで必要な情報を提供するための基盤技術も含まれます。
技術選定やインフラ構築など、専門的な部分はJVBが責任を持って担当しますので、お客様は安心してシステムをご利用いただけます。
【導入前】こんな課題、ありませんか?
このシステム導入前の競馬場監視においては、以下のような課題がありました。
- 降雪時や雨天時、ナイター照明下など、特定の環境条件で映像からの馬体認識精度が低下する。
- スタート直後やゴール前など、馬群が密集する場面で個々の馬を正確に識別・追跡するのが難しい。
- 従来のシステム(例:YOLOv4単体)では、期待される位置精度を満たせないケースがあった。
- 人間の目視による判定には限界があり、リアルタイムでの全馬の正確な位置把握は困難だった。
- 運営の効率化やファンサービス向上のために、より高精度なリアルタイムデータが必要だった。
【導入後】導入したらこう変わりました!
このAI監視システムを導入することで、競馬場の運営は次のように改善されました!
悪条件下でも高い認識率と精度を実現!
AIモデルの改良や複数の技術の組み合わせにより、従来は認識が難しかった降雪時や密集環境でも、馬や騎手の検出率と位置精度が大幅に向上しました。
最大100%の精度で位置情報を提供!
最適化されたAIシステムにより、競走中の各馬の位置情報を極めて高い精度(最大100%)でリアルタイムに提供できるようになりました。
運営の効率化と正確性が向上!
正確なリアルタイムデータに基づき、より迅速かつ公正なレース運営、高度なレース分析、ファンへの付加価値の高い情報提供などが可能となり、運営全体の質が向上しました。
将来的な拡張性も確保!
AIモデルの継続的な学習や改善、新しい技術の導入により、将来にわたってシステムの性能を維持・向上させていくことが可能です。
こんな使い方もできるかも?
このリアルタイム物体追跡技術は、競馬以外にも様々な分野で応用が期待できます。
他のスポーツ分析(サッカー、バスケットボールなど)
フィールド上の選手やボールの動きをリアルタイムで追跡・分析。各選手の運動量、ボール支配率、戦術的な動きなどをデータ化し、チーム戦略の立案や選手評価、ファン向けの解説コンテンツなどに活用します。
ドローン映像からの対象追跡
ドローンで撮影した広範囲の映像から、特定の車両、人物、あるいは野生動物などをAIが自動で追跡。災害状況の把握、インフラ点検、生態調査、警備監視などに役立ちます。
交通流監視・分析
交差点や高速道路のカメラ映像から、車両(乗用車、トラック、バイクなど)を個別に識別・追跡。交通量調査、渋滞原因分析、信号制御の最適化などに活用します。
工場・倉庫内の人やモノの追跡
工場内の作業員やAGV(無人搬送車)、倉庫内のパレットや製品などの動きをリアルタイムで追跡。動線分析による生産性向上、安全管理、在庫管理の効率化などに繋げます。
野生動物の生態調査
定点カメラやドローン映像から、特定の野生動物を識別し、その行動範囲、活動時間、個体数などを長期的に追跡・記録。生態系の保全や研究に貢献します。
群衆行動分析
イベント会場や駅などの混雑した場所での人々の流れ(人流)や密度を分析。避難誘導計画の策定、混雑緩和策の検討、異常行動の早期発見などに活用します。
JVBのAI開発サービス、こんなことも得意です!
JVBでは、今回ご紹介したシステム以外にも、お客様のニーズに合わせた様々なAIソリューションを提供しています。
RAGシステム構築
RAG(Retrieval-Augmented Generation / 検索拡張生成)とは、 AI(LLM)が回答を作る際に、まず社内文書などの外部情報を検索(Retrieval)し、 その情報に基づいてより正確な回答を生成(Generation)する技術です。
LLMと社内データ検索を組み合わせ、高精度な情報アクセスや対話システムを構築できます。(今回の開発事例もRAGの一種です)
AIエージェント開発
目標達成のために自律的に計画・実行するAIエージェントを開発します。RAGを発展させ、情報検索だけでなく、多様なツール(API連携、データベース検索、Web検索など)を使いこなし、複雑なタスクの自動化を実現します。基盤となるLLMも、OpenAIやAnthropic等のAPIだけでなく、Llama等のオープンソースモデルを活用することも可能です。
画像・動画解析AI
防犯カメラ映像の分析(不審行動検知など)、工場での製品検査(異常検知)、ドローンでのインフラ点検など、視覚情報を活用したAIシステムを開発します。YOLO(画像認識・物体検出のAI)などを活用します。
エッジAI開発
スマートフォン、カメラ、センサーなどのデバイス(エッジデバイス)上でAIを動作させ、リアルタイム処理やオフライン環境での利用を可能にします。
その他、自然言語処理(文書分類、感情分析)、需要予測、在庫最適化、推薦システムなど、幅広い分野でのAI活用が可能です。
AI導入、JVBに相談してみませんか?

「AI導入は難しそう…」
「自社に合うシステムを開発できるだろうか?」
もし、そうお考えでしたら、ぜひ一度JVBにご相談ください!
私たちJVBは、ベトナムのオフショア開発拠点ならではの低価格なコストメリットを活かしながら、高品質なAIシステムの開発を実現します。さらに、日本人スタッフと日本語堪能なブリッジSE(PM)が常駐しておりますので、コミュニケーションや品質管理の面でもご安心いただけます。お客様に寄り添い、企画段階から開発、運用まで、責任を持ってサポートいたします。
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